重層的支援体制整備事業の取組み

社会福祉法の改正

社会福祉法第4条第1項(地域福祉の推進)

地域福祉の推進は、地域住民が相互に人格と個性を尊重し合いながら、参加し、共生する地域社会の実現を目指して行わなければならない。

同法第6条第2項(福祉サービスの提供体制の確保等に関する国及び地方公共団体の責務)

国及び地方自治体は、地域生活課題の解決に資する支援が包括的に提供される体制の整備その他地域福祉の推進のために必要な各般の措置を講ずるよう努めるとともに、当該措置の推進に当たっては、保健医療、労働、教育、住まい及び地域再生に関する施策その他の関連施策との連携に配慮するよう努めなければならない。

同法第6条第3項

国及び都道府県は、市町村において第106条の4第2項に規定する重層的支援体制整備事業その他地域生活課題の解決に資する支援が包括的に提供される体制の整備が適正かつ円滑に行われるよう、必要な助言、情報の提供その他の援助を行わなければならない。

同法第106条の3(包括的な支援体制の整備)

同法第106条の4(重層的支援体制整備事業)

理念

1 重層的支援体制整備事業の意義異議

市町村、民間団体、地域住民など地域の構成員が協働して、属性を問わない包括的な支援と地域づくりに向けた支援を総合的に推進し、多様なつながりを地域に生み出すことを通じて、身近な地域でのセーフティネットの充実と地域の持続可能性の向上を図るもの。

2 重層的支援体制整備事業のめざす目標

市町村、民間団体、地域住民など地域の構成員が協働して、属性を問わない包括的な支援と地域づくりに向けた支援を総合的に推進し、多様なつながりを地域に生み出すことを通じて、身近な地域でのセーフティネットの充実と地域の持続可能性の向上を図るもの。

(1)包摂的な地域社会を目指す

事業の実施を通じて、人と人、人と社会がつながり、一人ひとりが生きがいや役割をもち、互いを尊重し合いながら暮らしていくことのできる包摂的な社会(「地域共生社会」)を目指す。
事業の実施に当たっては、特定の属性や課題に対応する従来のアプローチを転換し、「すべての地域住民」の多様な課題に寄り添う社会づくりを進める

(2)地域の将来を見据えた連携と協働

共同体(家族・地域・職場など)機能の脆弱化に対応すると同時に、地域の担い手不足等も踏まえて、地域社会の基盤の再構築を目指す。
基盤の再構築に当たっては、国と自治体、地域コミュニティ、民間企業やNPOなど多様な主体や、まちづくり、住宅、農産業、教育等の多様な分野と信頼関係を構築するとともに緊密に連携し、互いの創意工夫のもと協働を進める。

3 重層的支援体制整備事業の支援のかたち

(1)尊厳を守る支援

一人ひとりの生が尊重され、社会との多様なかかわりをもつことができるよう、本人の尊厳を守っていく。

(2)自律に向けた支援

自らの生き方や社会とのつながり方を追求できるよう、本人の自律を支えていく。

(3)伴走による支援

本人に関わり合いながらエンパワーメントし、本人と周囲、地域との関係を広げていく。

(4)包括的な支援

複合化・複雑化した支援ニーズに対応するとともに、包摂的な地域社会を育むための地域づくりを進めることで、市町村全体で包括的な支援体制を構築していく。

(5)地域づくりに向けた支援

地域住民の創意や主体性を源として、多様な活動と参加の機会を生み、地域の持続可能性を高めていく。

重層的支援体制整備事業

助け合い見守りで安心して住み続けられるまち つべつ

相談体制を明確化し、複合的なニーズやライフステージの変化に柔軟に対応できるよう「断らない」相談支援、多様で継続的な「出口支援」や地域における伴走体制の確保に努める。

 

(1)包括的相談支援事業

新たな相談窓口を設置するのではなく、既存の相談窓口を「分散型」で活用。一つの機関、職員、窓口が抱えるのではなく、既存の窓口が意識高くケースを受け止め、関係する窓口・機関と連携していくことを重視。
住民の身近な福祉相談所「ぽっと」を、地域住民と専門職と一緒に運営し、住民の困りごとに対応していく。

(2)多機関協働事業

支援関係機関が抱える課題をアセスメントし、各々の役割分担や支援の方向性を整理し、ケース全体の調整を行う。事例に応じて、支援関係機関と連携しながら本人への直接支援を行ったり、必要な社会資源の提供など、直接的な支援も想定。
支援者と相談支援包括化推進員との情報共有、支援会議等個別会議を行う。

(3)参加支援事業

支援関係機関が抱える課題をアセスメントし、各々の役割分担や支援の方向性を整理し、ケース全体の調整を行う。事例に応じて、支援関係機関と連携しながら本人への直接支援を行ったり、必要な社会資源の提供など、直接的な支援も想定。
支援者と相談支援包括化推進員との情報共有、支援会議等個別会議を行う。

(4)アウトリーチ等を通じた継続的支援事業

ひきこもり状態にあるなどして、必要な支援が届いていない人に支援を届けるため、相談支援包括化推進員を事務局にして、アウトリーチ等を通じた継続的支援を行う。
必要に応じて、支援会議の開催や「ぽっと」とも連携し、地域住民・専門職・相談支援包括化推進員が本人との信頼関係を構築していくことを目指す。

(5)地域づくり事業

介護、障がい、子ども、生活困窮の各法等に基づく地域づくり事業を一体的に行う。
交流・参加・学ぶの機会を生み出すための地域活動コーディネートを行うことや、世代や属性を超えて地域住民同士が出会い参加できる場や居場所の確保を想定する。